2021.12.16コラム
ワインサイドストーリーVol.01 ~ジロリボ編~
お見合い ~ジロリボとの出会い~(泣ける話)
日本国内で開催される業者向け試飲会は、未輸入のワインにめぐりあえる絶好の機会であると共に、生産者やその営業担当が本国から来日しての熱意ある営業トークを繰り広げるので、こちらも試飲とコメントと生半可な対応はできない……まさにパートナー探しの「お見合い会場」なのだ。
数年前に知り合ったカバメーカー「ジロリボ」の海外セールス担当マークさんとの出会いもその種の試飲会。 熟成カバが本当に美味しかった。同業の来場者からの評判も良かった。何よりマークさんとの話がはずみ、翌日わざわざサンプルをもって会社まで足を運んでくれた。
しかし、当時は「新規商材を開始するには時期尚早で難しい」と正直に当時の上司とお断りをした。「いいワインなんだけどタイミングがね~(残念)」と後ろ髪ひかれながらお別れをしたのを覚えている。
ジロ・リボ海外セールス担当のマークさん
(写真左)
そして一年後にあの時と同じ試飲会の会場でまた再会(!)。「まだどこも輸入が決まっておらず再来日した」と聞き、安堵しながら再会を喜んだ。隣にいた競合インポーター達は絶賛、熱烈なラブコールをしていた。それを肌で感じ、「これはやはりミリオンがやらなければいけないのでは?!」と触発され上司と一念発起し、社内営業を開始した。競合他社の同価格帯のカバを集め、マークさんから情報収集し、社内で比較試飲をした結果、見事に社長の承認を得て採用となった。協力してくれたお礼に、その比較結果や試飲コメントなどのレポート(自分なりに結構な作文をしたつもり)と合わせてマークさんに発注書を送った。最初の出会いから実に1年数カ月以上経って成約と相成った。
その翌年には現地を訪問。 ジロリボの庭園テラスで、優雅にマグナムボトルなどをふるまってもらいながらの楽しい昼食時、マークさんがしみじみとオーナーに「1年以上待った甲斐があった、いいインポーターと会えて実に良かった。今まであんなに真面目に競合比較試飲のレポートを送ってくれたインポーターなんていなかったよ」とミリオンとの経緯を話してくれた。
再会を祝って乾杯
「いいインポーターと会えて実に良かった」
とマークさん(写真左)
醸造家ジョアンさん(写真中央)
どうやらマークさん、一回目の試飲会の後、成果なく手ぶらで帰国したために理解できないオーナーとの間でバトルがあったようだ……(会社としては高い海外出張費を出しているのだから無理もない)。 しかしマークさんは我々を気に入ってくれ、辛抱強くもう一年待ってほしいとオーナーに懇願したんだそう。 それを聞いて涙が出そうになったが……ぐっと我慢した(心の中では感動泣き)。 あの試飲会場でビビッときていたのは我々だけではなくマークさんもそうだったのかもしれない。良きパートナー探しはまさしく「お見合い」。
それから私たちは超仲良しになり、彼の人柄もあって来日すると顧客にもイケメンセールスマンとして大人気。
同僚いわくトム・クルーズに似ているとか。それはいいけど二次会(いや三次会)のクラブではしゃぎすぎてテキーラを人数分何度も持ってくるのは危険極まりない……。
彼の飼っているラブラドールレトリバーと同じ人懐っこい性格なのでどこか憎めない。
マークさん自慢のジロ・リボ商品
ぜひお試しください!